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2018/03/01

日記

昨今のファッション誌に見られる味噌汁ぶっかけ飯感

店内に置いてある雑誌を最新号に取り換えるたびにファッション誌に対して思うことがある。
みなさんもお気付きかと思うが、徐々に付録が巨大化してきているということである。
まだ一昔前は付録こそあれど、ポーチ1個程度のレベルで済んでいたが、今回購入した雑誌なんかポーチはもちろんメモ帳、付箋などあわせて6点セットだそうだ。
この付録の量は「チャレンジ」に肩を並べる勢いではないか。
そのうち付録で顕微鏡やリトマス試験紙でも付いてくるのではないだろうか。



付録いらない派の私としては付録の大きさが少々うるさく感じており、付録の大きさに反比例して少なくなっていく本のページ数を不満に感じていた。
ただ、考えていくうちにその不満は一転して昨今のファッション誌業界に感動すらおぼえるほど肯定的になったので、伝えておこうとおもう。



少々イライラしながら付録が落ちないようにとめられた輪ゴムを外しているときにふと思った。
雑誌と付録比率1対1に近いこの状態は何かに似ていると。
そう、食物界でいうところの古から伝わる伝統料理「味噌汁ぶっかけ飯」別名ねこまんまである。
そういえば、この雑誌も味噌汁の水分を吸った米のようにふくらんでいやがる。

では味噌汁ぶっかけ飯とはどういった時に食べられているのかというと、米にも味噌汁にも飽きてきたときに他ならない。
どちらももう食が進まないなって時にそれらを「コラボ」させることで、今までのもういいや感がまるで嘘だったかのようにサラッといけてしまう。



当たり前といえばそうだが、ファッション誌は毎月欠かさず発売されているのにも関わらず、トレンドは毎月は変わらない。つまり読者からすれば今月号は先月号とほとんど変わらないのだ。
この読者の同じのばっかりもういいや感を付録という汁的なものでサラサラっと流し込んでくださいねというわけだ。
伝統料理、先人達の知恵を上手く現代に利用した、まさに温故知新だ。

p.s.  ただし、私の個人的な不満は消えたものの、なんだか使わないポーチの山が店の控室をどんどん占拠していることもまた事実である。


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