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2018/04/10

美容師,日記

グータッチ1回110円

自分なりの工夫を重ね、独自の技術やセンスを形にしていくのはとても楽しいし大切なことだ。

そして、
いろんな人の技術やセンスを見て、勉強することはそれと同じくらい楽しく、大切だと私は思う。

今回はサロンスタイルの撮影の仕方や、撮影時のスタイリングのコツ等を勉強してきた。
久々の大阪梅田。講師は去年、一昨年のフォトコンテスト、グランプリ受賞者のお二方だ。







すでに出来上がった写真を見ることは多いが、こうして作品を作り上げていく過程を
見させてもらうことは、凄く私の経験値になったと思う。

作品コンセプト、次のトレンド、見る側に何を感じてほしいか。
そんなことをしっかり考えて作品を作る人もいれば、
感覚的にシャッターを切る。撮影しながら可愛い角度や光の入り方を探していく。
そんな人もいる。
しかし、そのどちらもがグランプリ受賞者なのだ。

結局、今回の勉強会で私が感じたことは
人の心に少しでも影響を与えるような良いヘアスタイルを、良い写真を残すことに
どれだけの情熱を注げるかで、その良し悪しは大きく変わる。ということだ。

髪の一束だけを計算して1ミリだけ向きを変える。
感覚的に良いと思って、光の入り方を1ミリだけずらす。
これを納得いくまで繰り返す。
今回の講師に共通していたことは、こういうことだった。


前髪を、眉毛が見えない程度に自分で切ろうとしている人がいるとしよう。
その人にとって切った結果、眉が出なければ成功、眉が出れば失敗。
だが眉が出るか出ないか、その差はたった1ミリなのだ。


サロン撮影にしてもサロンワークにしても
私たち美容師は、その1ミリのために情熱を注がねばならない。
否、それが当然だとプロとして、また気を引き締め直すべきなのだ。



P.S.
その帰り道。今回はとても価値がある勉強会だったなあとホクホクした気持ちで
阪神梅田駅の改札を通ろうとした時、一人のおっさんに声をかけられた。
夕方から酔っぱらっているのだろうか、私に110円を恵んでくれと言ってきた。
なんでも、お金をほとんど使い切ってしまい、あと110円ないと電車で家まで帰れないそうだ。
完全に自業自得なのだが、よっぽど困っているんだろう、そう思い110円を手渡した。
おっさんは「ほんまにええのん!?ありがとうなああ!」と喜び、
しまいには、HIPHOP的な、HEY!BROTHER!的な
極めて軽いノリのグータッチを求めてきた。
私の110円はそんなに軽くないのだが、一応グータッチを受け入れ、私はホームに入っていった。
電車内で私は、見知らぬおっさんとのグータッチが1回110円だったなあと思い
その価値について考えていたのだった。
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